こういってたぬきが火ぶくれになって、赤肌(あかはだ)にただれている背中を出しますと、うさぎはその上に唐がらしみそをところかまわずこてこてぬりつけました。 すると背中はまた火がついたようにあつくなって、 「いたい、いたい。」 と言いながら、たぬきは穴の中をころげまわっていました。
うさぎはその様子(ようす)を見てにこにこしながら、 「なあにたぬきさん、ぴりぴりするのははじめのうちだけだよ。じきになおるから、少しの間(あいだ)がまんおし。」 と言って帰っていきました。