すると、「おじいさん、おじいさん、どうしたのです。」
 と言って、これも(うら)の山にいる(しろ)うさぎが(はい)って来ました。
「ああ、うさぎさんか。よく来ておくれだ。まあ()いておくれ。ひどい目にあったよ。」
 とおじいさんは言って、これこれこういうわけだとすっかり(はなし)をしました。

 うさぎがやってきて、おじいさんをなぐさめる

うさぎはたいそう()(どく)がって、
まあ、それはとんだことでしたね。けれどかたきはわたしがきっととって()げますから、安心(あんしん)していらっしゃい。」
 とたのもしそうに言いました。おじいさんはうれし(なみだ)をこぼしながら、
「ああ、どうか(たの)みますよ。ほんとうにわたしはくやしくってたまらない。」
 と言いました。
大丈夫(だいじょうぶ)あしたはさっそくたぬきを(さそ)()して、ひどい目に()わしてやります。しばらく待っていらっしゃい。」
 とうさぎは言って、帰っていきました。