そして、 「どれ、わたしがついてあげましょう。」
 と言いながら、おばあさんのきねを()()げて、麦をつくふりをして、いきなりおばあさんの脳天(のうてん)からきねを()()ろしますと、「きゃっ。」という間もなく、おばあさんは目をまわして、(たお)れて()んでしまいました。

たぬきにおそわれるおばあさん 

たぬきはさっそくおばあさんをお料理(りょうり)して、たぬき汁の代わりにばばあ汁をこしらえて、自分(じぶん)はおばあさんに()けて、すました(かお)をして()(まえ)に座って、おじいさんの帰りを()ちうけていました。