さて、 わるものは、 三(さん)どめに、 やぎのおうちの戸口(とぐち)に立(た)って、 とんとん、 戸をたたいて、 こういいました。
「さあこどもたちや、 あけておくれ、 おかあさんがかえって来たのだよ、 おまえたちめいめいに、 森でいいものをみつけて来たのだよ。」 子やぎたちは、声をそろえて、 「さきに足をおみせ、 うちのおかあさんだかどうだか、 みてやるから。」
そういわれて、 おおかみは、 前足を窓にのせました。 こどもやぎがそれを見ますと、 白かったので、 おおかみのいうことを、 すっかりほんとうにして、 戸をあけました。