やがて、 まもなく、 たれか、 おもての()をとんとんたたくものがありました。 そうして、

戸をたたくおおかみ

「さあ、 こどもたち、 あけておくれ、 おかあさんだよ。 めいめいに、いいおみやげをもって()たのだよ。」と、 よびました。

 でも、 こどもやぎは、 それがしゃがれた、 があがあ(ごえ)なので、 すぐおおかみだということがわかりました。 そこで、

「あけてやらない。 おかあさんじゃないから。 おかあさんは、 きれいな、 いい声してるけれど、 おまえはしゃがれっ声のがあがあ声だもの。 おまえはおおかみだい。」と、 さけびました。