おおかみは、 やっとのこと、 寝たいだけ寝て、 立ちあがりました。 なにしろ、 胃袋(いぶくろ)のなかは石がいっぱいで、 のどがからからにかわいてたまらないので、 ふき井戸(いど)のところへ行って、 水(みず)をのもうとしました。
ところが、 からだを動かしかけますと、 おなかの中で、 ごろた石がぶつかりあって、 がらがら、 ごろごろ、 いいました。
がらがら、 ごろごろ、 なにがなる
そりゃどこでなる、 腹(はら)でなる。
六ぴきこやぎのなくこえか、
こりゃ、 そうじゃない、 ごろた石、
おおかみは、 こううたいました。