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ところが、 おおかみは、 そばからみつけだして、 ぞうさなく、 ひとりひとり、 かたはしからつかまえて、 ただひと(くち)に、 あんぐりやってしまいました。 ただ、 大時計(おおどけい)の箱のなかにかくれた、 いちばん(ちい)さな子だけは、 みつからずにすみました。

満腹のおおかみ

さて、 たらふくたべたいだけたべて、 おなかがくちくなると、 おおかみはおもてへにげ出して、 ()のかげになって、 (あお)あおとしているしばの(うえ)に、 ながながとねそべって、 ぐうぐういびきをかきだしました。