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ある日、
おかあさんやぎは、
こどもたちのたべものをとりに森まで出かけて行くので、
七ひきのこどもやぎをよんで、
こういいきかせました。
「おまえたちにいっておくがね、
かあさんが森へ行ってくるあいだ、
気をつけてよくおるすばんしてね、
けっしておおかみをうちへ入れてはならないよ。
あいつは、
おまえたちのこらず、
まるのまんま、
それこそ皮も毛もあまさずたべてしまうのだよ。
あのわるものは、
わからせまいとして、
ときどき、 すがたをかえてやってくるけれど、
なあに、声はしゃがれて、
があがあごえだし、
足はまっ黒だし、
すぐと見わけはつくのだからね。」
すると、 こどもやぎは、
声をそろえて、
「かあさん、
だいじょうぶ、あたいたち、よく気をつけて、 おるすばんしますから、
心配しないで行っておいでなさい。」と、 いいました。
そこで、
おかあさんやぎは、
メエ、 メエといって、
安心して出かけて行きました。