与太郎は毎日(まいにち)隣村(となりむら)へ遊(あそ)びに行(い)って、まだ日(ひ)の暮(く)れぬうちに森(もり)を通(とお)って帰(かえ)って来(き)ました。
「あの森は狸がいていろいろのものに化けるから、日の暮れぬうちに帰らぬと怖(おそ)ろしいぞ」 とお母(かあ)さんが言(い)いきかせているからです。